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なぎさのゴミについて考えよう! (vol.288)

2013/07/27 ブログ by 安川有里


7/20,21の2日間にわたって行われたイベント「Save the Beach in 横須賀 2013」。

Save the Beach の活動を始めたビーチバレー選手の西村晃一さんは、
その趣旨について、
特定非営利活動法人・Save the beachのHPにこう書いています。

「いま、日本のあちこちで、美しかったビーチが、環境破壊や地球温暖化の影響を受け、海水面が上昇したり、海岸が侵食され、どんどん失われています。
全国各地を転戦しながら、そうした様子を目にしたとき、自分達にできることは何かを考え、そして、それを具体的な行動に移し、活動の輪を広げていくことの必要性を強く感じていました。
ビーチバレーやサッカーなど、各スポーツの一線で活躍しているスポーツ選手を招き、素晴らしいプレーを目に焼きつけたり、一緒にプレーすることでスポーツの楽しさを実感してもらう。 そして、選手たちと一緒に、身近な環境を守るための取組みを行っていくことで、環境保護活動の輪を広げていく。
こうした活動を全国で展開し、少しでも多くの子供たち、地域の方々を、明るく、元気にしたい。そして、未来に美しい環境を残していきたい。私たちは、そう願っています。」

この趣旨に賛同した横須賀の有志が一昨年始めた
「Save the beach in 横須賀」は、すっかり市民にとけ込んだイベントになりました。


(チアリーディング)

会場では、ビーチバレーの大会の他、飲食ブースや、環境に取り組んでいる団体のブースなど、
お天気にも恵まれ、親子連れで賑わいました。
私も、所属しているNPO・横須賀港湾防災支援会のブースで会の活動を紹介しました。


(小学生と中学生がヨーヨーを作るのを手伝ってくれました。)

そして昨年に引き続き、クリーンピックが開催されました。
小学校4年生から中学校1年生までの子ども4人が1チーム。
その4人チームにプロビーチバレーの選手が1人入って合計5人のチームになります。
優勝はなんとディズニーペアチケットだったそうです。
ゴミに価値を付けてゴミを競い合って拾います。


(クリーンピックを終えて集合)

子ども達が楽しく、環境を考える活動をしている時、
その横の芝生広場はBBQを楽しむ人達で賑わっていました。
これは、日が傾き、Save the Beachが終わり、BBQをしていた人達も家路についた後のうみかぜ公園トイレ前の写真です。


(グループで楽しんだあと「持ってかえろう」と声を掛け合えばこんな状態にならないはず)

場所によっては新品のグリルや余った食材をその場に捨てていくケースがよくあります。
手軽に楽しめるようになった分、手軽に捨てられていきます。

BBQは、食育とマナー教育を行う事ができるいい機会でもあるのです。
必ずゴミは持ち帰る!!
土に埋めても自然にはかえりません。
発砲トレイやラップは自宅で外し、ジッパー付き保存袋に詰め替える等、最初からゴミになるものを持ち込まない心がけが必要です。
下準備は子ども達にも参加してもらい、火や刃物の適切な使い方、下ごしらえから調理、そしておいしく味わうまで「五感」をフルに活用する楽しさを味わってもらいます。
そして、後片付け。立つ鳥跡を濁さず……です。

ところで、
第2回定例会の環境農政常任委員会に提出された6月補正予算の中に「海岸漂着物等の対策事業費」として、
43,412千円が計上されました。
国からの補助金を原資として海岸漂着物等対策基金を造成し、
海岸漂着物等の回収・処理や発生抑制に関する普及啓発事業を実施することにより、
海岸における良好な景観や環境の保全を図ることを目的としています。

海岸漂着物の回収・処理に関する事業は、暴風雨等により発生した大量の海岸漂着物や清掃困難箇所の清掃は、
横須賀市走水海岸から湯河原町湯河原海岸までの約150kmの海岸が対象です。
海岸漂着物等の発生抑制に係る普及啓発事業は、BBQ等により海岸等を利用するものに対し、ゴミの持ち帰り等を直接呼びかける事業です。

啓発事業でどれほどの効果があるのかは、かなり疑問で、委員会でも各会派から質問が行われました。
我が会派は、「あくまでもこの事業は、啓発のモデルであって、
声がけだけで、ゴミを持ち帰る習慣がつく訳ではない、教育が必要である。
海岸でのBBQや花火の時はもちろん、日常生活の中でゴミの事を考える、
そして自然に環境を守る事ができるような「かながわっ子」を育てて頂きたい」と要望しました。

教材として一例をあげると、
緊急的な海岸漂着物の清掃を委託しているかながわ海岸美化財団が2年前に発行した『なぎさのごみハンドブック』。
Save the Beachの会場で、私たちのブースでヨーヨーつりをした子ども達に配布しました。

海岸のゴミはどこからくるのか、
海岸ゴミの問題点、
動物たちの被害、
ゴミ調査隊になろう!、
ビーチクリーンをしてみよう!!etc.
海岸ごみの約7割は川から。海岸ごみを減らすには、こうした川を通じ海岸とつながっている陸域への美化啓発が欠かせません。
海岸=なぎさをきれいにする事は日頃の生活に結びついている事を学べるいい教材だと思います。
ブースでこの冊子をもらって帰って来た姪っ子の子どもに、その内容をしっかり説明し、夏休み中にビーチクリーンに誘ってみようと思っています。

神奈川県の海岸で一年間に処理されるゴミ(海藻をのぞく)の量は約2000トン。
鎌倉の大仏の約16体分です。
「ちょっとくらい…」と捨てたものも集まると、こんな量になるのです。

さきほどご紹介した冊子にも書いてあったように、海岸のゴミの7割は川からきています。
海岸のゴミは海岸だけの問題ではなく、水の流れでつながる陸地のゴミの問題でもあります。
海岸のゴミは社会全体の問題です。
Save the Beach の目的も、NPO・横須賀港湾防災支援会の活動(海からの清掃)も、かながわ海岸美化財団の取り組みも、
すべて、「未来に美しい環境を残したい」という同じ気持ちから来たものです。

夏休み、お子さんと海に出かける、BBQをする予定のあるお父さん・お母さんに、是非
「なぎさのゴミ」について、親子で考えて頂きたいと思います。
私も、微力ですが、啓発のために活動を続けていきたいと思います。


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