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環境農政常任委員会 (vol.355)

2014/03/06 ブログ by 安川有里


 ブログ報告は、ディナーの後でといいつつ、今月号の活動報告書のまとめを優先したため、次の日のディナーの後で、昨日の報告です。m(-_-)m 。 

 昨日、3/5、今年度最後の、常任委員会での質問が終わりました。
 昨日は、私の質問のあと、県内視察を行いました。箱根の蛇骨川の治山工事現場と大野山乳牛育成牧場へ。県庁から、片道2時間の小旅行?しての視察でした。

 蛇骨川上流は、箱根町の中心に位置する駒ケ岳を源とする急峻な渓流で、下流には歴史ある芦之湯温泉があります。

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 平成14年に上陸した台風21号の影響で蛇骨川上流に大規模な土石流が発生、下流にある温泉街では大きな被害を受けました。この災害を復旧するために治山事業を実施しました。その後、平成17年に上陸した台風11号の影響により再び同箇所で土石流が発生しましたが、治山事業で設置された治山ダムにより土石流が止められ、下流にある温泉街を守ることが出来ました。
 今年度で治山工事が終わる現場を調査しました。

 2か所目は「大野山乳牛育成牧場」。

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 全国有数の酪農県でもある神奈川県は、県民に新鮮で良質な牛乳を供給することを目的とし、県内酪農家の後継牛の育成業務を昭和43年から開始しました。生後約6カ月の乳牛の雌子牛を総面積約94haの牧場で預かり、約2年の育成期間を経て酪農家へ戻す役割を担っています。
 しかし、現在、多くの酪農家は北海道の牧場へ雌子牛の育成を預託している現状でもあり、県有施設として一定の役割を終えたことと、牧場地の借地費用や施設維持費、人件費など総合的に判断して、神奈川県緊急財政対策としても「廃止を含めた検討」と判断されるに至りました。
 今回は、牧場機能を廃止するにあたってのの、酪農家の方々の反応なども聞く事が出来ました。

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(大野山のまきば館の中で)

(なお、大野山乳牛育成牧場については、以前視察して、天気が良かった時の報告 2011年12月25日のブログ「県内視察・12月②Vol.111」をご覧下さい。下線が引いてあるところをクリックするとジャンプします。)

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

以下、今回の環境農政常任委員会の質問内容の原稿の一部です。
(大野山については、これから視察という事で、原稿なしで質問しました。)

Q① 各会派の方からも質問がありましたが、私からも大雪関連で質問と要望をさせて頂きます。
先日、被害にあった地元の津久井浜観光農園のイチゴハウスを見て来ました。イチゴ狩りに来ている方で賑わっていて、被害に遭われた農家の方に
お話を聞く事は出来ませんでしたが、雪の重みのもたらす災害の大きさを実感しました。
今回の大雪で被害が多かったパイプハウスですが、融資を受け、さあ立て替え!となっても、消費税増税に伴う駆け込み需要で、既に品薄になっていて、今回、被害に遭われた方が、今購入の申し込みをしても、実際に建てられるのはかなり先になると言われています。
そこで伺いますが、パイプハウスの供給量はどのような状況なのでしょうか?

(要望) かなり、時間がかかるという事は、来年の収穫にも影響を及ぼすと思われます。先日、川上委員が、心がぽきっと折れちゃうとおっしゃり財政出動の提案をされました。それに対し、局長からの決意も伺いました。被害に遭われた農家の方に、意欲を持ってやって頂けるよう、黒岩知事の言葉をかりて要望させて頂きます。「圧倒的なスピード」で財政出動を考えて頂きたいと思います。また、渡辺委員が指摘された、国に対しての要望も改めてお願いいたします。
  
Q② 次の質問に入る前に、3日に曽我部委員が質問された「ガソリンベーパーを考えるシンポジウム」について意見と要望をのべさせて頂きます。
1/29のシンポジウムに参加させて頂きました。基調講演も解りやすく、パネリストの方々が取り組んでいらっしゃる内容も興味深く聞かせて頂きました。しかし、終わった後、具体的に「だから、県はどうして行くのか」という落としどころが見えなかった為、消化不良気味で帰って来ました。
 曽我部委員の「成果は?」の質問に対しての答弁は理解出来ましたが、例えば、EU型のSS側規制なのか、アメリカがシフトしている自動車側規制なのか、選択の為に今後どのような取り組みをしていくのか、また、まだほとんど認知されていない「ガソリンベーパー」について、先日ご答弁頂いたように、早いタイミングで科学的地検を収集し、対策をとり、県民に解りやすく周知して頂くよう望みます。

Q③ 食品のリサイクルについて、伺います。
日本は、食料自給率が低く、2011年の農林水産省の調査では、カロリーベースの総合食料自給率で39%、生産額ベースの総合食料自給率では66%となっています。世界中から大量に食料を輸入する一方で、毎年大量の食料が破棄されています。農林水産省「食品リサイクル法による定期報告結果」によると、食品産業から排出される食品廃棄物が2009年は1788万t。また、本来食べられるにも関わらず捨てられる、いわゆる「食品ロス」が500〜800万t。これは、日本の一年間のコメの収穫量に匹敵する量です。
 ホテルのパーティーなどで、大量に残っている料理が「もったいない」と感じ、自己責任による「ドギーバッグ」での持ち帰りを何度か交渉した事があるのですが、ことごとく断られました。この他、コンビニの賞味期限切れのお弁当や、賞味期限1/3ルールの食品(参考・セカンドハーベスト)など、日本はたくさんの食品を廃棄しています。最近は、自治体やホテル、レストランでも「お持ち帰り」を推進しているところが出てきていますが、まだまだ、大きな運動になっていません。
 世界では、飢えで命を落としていく子ども達がたくさんいるのに、と以前から私は「食品ロス」について問題視し、様々な取り組みをしている団体や個人を調べ、お話を伺って来ていました。
 そんな、取り組みの一つが、2/6に表彰式が行われた今年度の「かながわ地球環境賞」を受賞した株式会社横須軽金の自立循環型リサイクルルーす。名付けてヤサイクル。
 少し長くなりますが、そのループの内容を説明します。ヤサイクルのきっかけになったのが、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズとの出会い。食品資源再生機器「生ごみ処理機」・マジックバイオくんを販売したことでした。実は、ベイシェラトンでは、毎日およそ1tの生ごみが出ていて、その処理が悩みだったそうです。処理機販売の交渉の中で、販売するだけではなく、再利用がきちんと出来るまでのノウハウを構築しなければ、と考えた小野社長。
 そこで、生まれたのが「ヤサイクル」です。生成された堆肥を引き取り、れを農家が使いやすい「ヤサイクル堆肥」にして、契約している「土にこだわる」農家に無償提供。その肥料をもとに育てられた野菜を買い取って、生ごみ処理機のある飲食店に出荷します。
 
 これが『自立』循環型サイクルループです。

 ☆そこで伺います。この取り組みを行っている横須賀軽金が「かながわ地球環境賞」を受賞しました。どういったところが、受賞に結びついたのでしょ  うか?

 ☆このような取り組みが広まれば、食品リサイクルが進んでいくと思いますが食品リサイクルの神奈川県の現状はどうなっていますか?最近の食品廃
  棄物の発生状況、再生利用の状況について教えて下さい。

 ☆再生利用の状況は向上しているようですが、これまでどのような取り組みを行ってきましたか?

 ☆昨年10月に行われた「食べきりげんまん」プロジェクト、福井県などでも食べきり運動を行っているようですが、神奈川県の実施内容と成果を報告し  て下さい。

 ☆今後、県では、この「食品ロス」を解消する為に再生利用の向上にむけ、どのように取り組んでいこうと考えていらっしゃいますか?

(要望)食品リサイクルの再生利用については、外食産業などの事業者が食品廃棄物の分別、再生利用に踏み切るための意識付けが必要だと、共通認識が持てました。この問題の根源は、食品廃棄物・食品ロスです。
 大量生産・大量廃棄。「食品ロス」の話を伺った『セカンドハーベストジャパン』。賞味期限のスーパーなどでの1/3ルールのこと、店頭食品の賞味期限の問題、などなどを集めて、福祉施設などに提供するフードバンク活動を地味ながら、展開されていました。ヤサイクルの取り組みも、個々の企業単位かもしれませんが、その中で、無駄な廃棄物を出さないよう、努力されています。企業や団体・個人が、動き始めています。
 環境問題は、「think globally,act locally」、おのおのできる範囲からはじめて、おおきなうねりを「神奈川県版もったいない運動」をはじめて頂きたいと考えます。

 この委員会の所管事項ではない部分もありますが、昨年行われた食べきり運動などの県民運動の展開、1/3ルールの見直し、フードチェーン店の食品ロス削減の取り組みなど、そしてフードバンク活動、これら、様々な個々の民間の活動を県としても支援頂き、関係機関、国などとも提携・協力しながら推進する事を検討して頂きたいと思っています。


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