安川有里( YURI YASUKAWA )公式サイト

ホーム>県立岩戸養護学校のキャリア教育(Vol.358)

県立岩戸養護学校のキャリア教育(Vol.358)

2014/03/13 ブログ by 安川有里


 3/12、神奈川県立岩戸養護学校の卒業証書授与式に出席させていただきました。

IMG_8657

 肢体不自由教育部門 6名、知的障害教育部門 34名が、3年間の高校生活を終え、新生活に旅立ちました。
 3年間を振り返る映像をバックに行われた「卒業生の言葉」。感極まっての涙声に、涙腺緩みっぱなしのおばさん県議でした。抱きしめたくなりました。

IMG_3171

 式次第の中に、卒業生進路先予定一覧が挟まれていました。雇用先・入所予定先の方々も卒業式に出席され、新しい仲間の晴れの姿をお祝いしました。
 昨年もご紹介したと思いますが、(文教常任委員会に所属していた関係で、昨年度の第一回県議会の討論で紹介しました)岩戸養護学校の就職率は、県内の養護学校高等部のそれを、大きく上回っています。(今年は、就職率43%)
 なぜか?
 それは、徹底したキャリア教育です。
 今回は、「校内研究のまとめ」を頂いて来ました。レポートのテーマは『一人一人のニーズに沿ったキャリア教育とは〜授業実践を通して〜』。

IMG_4835

 岩戸養護学校は高等部単独の特別支援学校です。生徒の卒業後の生活を見据えた教育を実践する学校です。岩戸養護学校で言う「キャリア教育」とは、職業選択のための教育という狭義の意味ではなく、いわゆるライフキャリアという広義の意味をさしています。つまり、生徒一人ひとりの実情に応じて、就職のみにとらわれず、自分で出来る事を増やしていこうとする態度・勤労感を育み、自らが生き方を主体的に考え、進路を選択出来る能力・職業観を、障害の特性や発達段階に応じて育成するという事です。
 「個々の課題をどう授業展開に結びつけていくか?」「各授業をキャリア教育の視点を持って系統的に展開出来たか?」etc.。日常的な話し合いとともに日々の実践について検証されているそうです。
 
 肢体不自由教育部門では、これまでの3年間の研究の中からシラバスを作成し、学年ごとの研究を行いました。卒業後の生活を見据え、必要な事が何であるのかを精選し学習を重ねていく、個々の実態にあった進路に関わる学習や作業学習を行いました。

 知的障害教育部門の就労支援コースでは、1学次は「自己肯定感を育て、相手にとっても自分にとっても居心地の良い関係づくり」、2年次は「適切なコミュニケーション能力を目指して」、3年次は「社会とくらしの授業 Social Skills Educacation において『集団活動の成功体験から、個々のソーシャルスキルを高める授業実践』」をテーマに、徹底的な実務実習を行いました。話し合い活動を中心とする集団活動から、個のソーシャルスキルを高める事が出来たとの報告がありました。

 知的障害教育部門自立支援コースでは、3年間を通して「生活と進路」をメインテーマに、意思決定能力の育成・個々のニーズに沿ったキャリア教育、そして進路決定までをカリキュラムにし、取り組みました。

 その結果、生徒達がそれぞれ、新しい人生に歩みだしました。
 校長先生とPTA会長は、新生活で壁にぶつかったら、学校に来てほしい、悩みを解決する方法を母校のみんなで考えるから……と。

 最後に、とても素敵な校歌のフレーズを。

♬ 輝く青春 希望に満ちて
  未来に向かって生きていこう ♬


コメントは受け付けていません。