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ノーベル平和賞ーマララさんとサティヤルティさん(Vol.459)

2014/10/11 ブログ by 安川有里


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 昨日、2014年のノーベル平和賞は、女子教育の権利を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさんと、インドの児童労働問題に取り組んでいるカイラシュ・サティヤルティさんに授与すると発表されました。

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(朝日新聞 2014/10/11 より)
 
 マララさんは、17歳。最年少のノーベル賞受賞者です。
 女子教育の権利を唱えてイスラム過激派に頭と首を銃撃され、一命を取り留めました。移送先の英国のバーミンガムで治療を受け奇跡的に回復しました。すべての女子や児童への教育実現を訴えています。

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(朝日新聞より)

 サティヤルティさんは、不当に就労させられている子どもたちを解放する運動を続けてきました。インドで働かされている子どもは政府統計で500万人(民間の推計では5,000万人)。1980年から、子どもたちを過酷な労働や搾取から救出、救った子どもはゆうに8万人を越すそうです。「私が生きているうちに児童労働がなくなってほしい。」

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(朝日新聞より)

 2014年11月20日、「子どもの権利条約」は採択25周年を迎えます。「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。 18歳未満を「児童(子ども)」と定義し、国際人権規約(第21回国連総会で採択・1976年発効)が定める基本的人権を、その生存、成長、発達の過程で特別な保護と援助を必要とする子どもの視点から詳説。前文と本文54条からなり、子どもの生存、発達、保護、参加という4本の柱で包括的な権利を実現・確保するために必要となる具体的な事項を規定しています。
 1989年の第44回国連総会において採択され、1990年に発効しました。(日本は1994年に批准しました)
 しかし、戦争・貧困・児童労働などで、「生きること」「育つこと」「守られること」「参加すること」、そして教育を受けることがままならない子どもたちが、地球上にはまだ沢山いるのが現状です。そして、それは日本でも……。子どもの貧困率が16%をこえています。

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(毎年、購入して愛用している「unicef」の世界の子どもたちが描いた絵のカレンダー)
 
今回のノーベル平和賞の受賞理由は、「子どもや若者への抑圧と闘い、すべての子どもの教育を受ける権利のために奮闘している点」と、選考委員会は説明しています。
 お二人に改めて、敬意を評したいと思います。

 最後に、(報道でご存知の方も多いと思いますが)改めて、2013年7月、ニューヨークの国連本部での、マララさんの演説の後半の一部をご紹介します。
 『・・・・・親愛なる少年少女のみなさん、私たちは今もなお何百万人もの人たちが貧困、不当な扱い、そして無学に苦しめられていることを忘れてはいけません。何百万人もの子どもたちが学校に行っていないことを忘れてはいけません。少女たち、少年たちが明るい、平和な未来を待ち望んでいることを忘れてはいけません。
無学、貧困、そしてテロリズムと闘いましょう。本を手に取り、ペンを握りましょう。それが私たちにとってもっとも強力な武器なのです。
1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。エデュケーション・ファースト(教育を第一に)。ありがとうございました。』 

 


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