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インクルーシブ教育の実践校・津久井浜高校の文化祭(Vol.450)

2014/09/20 ブログ by 安川有里


 先日、事務所に県立津久井浜高校から文化祭のご案内が届きました。
『このたび本校では「第24回文化祭」を開催します。クラス、文化部、有志を中心とした展示や発表などの企画があり、生徒たちは日頃の努力の成果を発揮しようと一生懸命に準備を進めております。また、武山養護学校分教室も展示・販売の準備を進めております。・・・』
 今春の卒業式で、生徒たちの企画実践力に感動しました。文化祭でも、あのみんなの団結パワーを楽しみに、津久井浜高校へ行ってきました。楽しくて、笑顔いっぱいの文化祭、元気を頂いて帰って来ました!

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(中庭、行列ができていました!)

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(美術部!これはとは別に、部員の皆さんの素晴らしい作品にしばし、見入りました)

 そして、いただいた案内状にもあったように、津久井浜高校の中には武山養護学校の分室があります。

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 県は「共に学び共に育つ」という理念で、子どもたちが成長の過程で様々な人と出会い、立場を超えて理解し、学びあえる、誰をも包み込む「インクルーシブな教育」を目指しています。昨年の「神奈川の教育を考える調査会最終まとめ」でもインクルーシブ教育の推進と地域での自立促進の仕組み作りが提言されました。
 そんな取組みの事例の一つが武山養護学校津久井浜分教室です。平成21年4月に県立津久井浜高等学校内に開設された三浦半島地区で初めての分教室です。
 県立津久井浜高等学校は、横須賀市の南端、三浦半島の南東部に位置し、校舎の北側には武山や三浦富士等の山々がそびえ、南東側には津久井浜と東京湾を臨む、とても自然豊かな環境の中にある学校です。このような環境の中で、生徒一人ひとりが「自立と社会参加」に向けた活動に日々取り組んでいます。
 この、恵まれた環境の中、津久井浜分教室では、特に三つの柱を大切にした教育活動を展開しています。
 一つ目の柱は校外学習を初めとした「社会体験」、二つ目の柱は現場実習や校内実習などの「職業体験」、そして三つ目の柱として特に力を入れている「交流活動」です。

 共同学習の一例としては、津久井浜高等学校の音楽の授業に参加するほか、部活動でも交流しています。また、津久井浜高等学校の活動に分教室の生徒が参加するだけでなく、津久井浜高等学校の生徒が分教室を来訪し、自分たちの卒業記念品作りに生かすため、分教室が作業学習で取り組んでいる革工芸について、知識や技能を分教室の生徒から直接学ぶ機会を持つこともあります。
 
 今回の文化祭でも、革細工をテーマに体験&販売コーナーで、沢山の皆さんを迎えていました。
 私も、かわいい革細工を購入!

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(購入した革製品!明日から使います!)
 

 インクルーシブ教育については、様々な意見があります。インクルーシブ教育は、障害のある者とない者が共に学ぶことを通して、共生社会の実現に貢献しようという考え方です。平成18年12月の国連総会で採択された「障害者の権利に関する条約」で示されました。日本も同条約の批准に向けて平成23年8月に障害者基本法が改正され、「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮」(16条)するとされました。
 もちろん、単に一緒の場で同じ教育を行えばよいというものでありません。また、特別支援学校や特別支援学級をなくすものでもありません。障害などの特性に応じたきめ細かな教育を行う事で、障害児の能力を可能な限り伸ばすことが求められます。また、一人ひとりを丁寧に教育するための「基礎的環境整備」を充実させながら、具体的な障害などの教育的ニーズに対応した「合理的配慮」が必要になると考えています。

 今後も、インクルーシブ教育の「よりよいあり方」を模索し、教育委員会に様々な提案をしていきたいと思います。

 


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